大会前夜の夜間監視のシステムに”空港”を参考にした話

さいが
さいが

どちゃくそ久しぶりです!すみません!

こんにちは!さいがです!

気づいたら1ヶ月ぐらい更新してませんでした、が、まだ続けててえらい!というモチベーションで書いています()

今回は、現役時代に鳥人間コンテスト大会前夜に琵琶湖湖畔で機体の監視を行ういわゆる「夜間監視」を効率化して、執行代が十分な睡眠時間が取れるようにシステムを改善した話をしたいと思います。

人数の少ないチームだとフライトや運営での中心人物を繰り出しがちですが、いかにタスクを分散しつつ、リスクを下げて運用していたかについて話したいと思います。

夜間監視とは

まず初めに、夜間監視についての説明をしたいと思います。

鳥人間コンテストでは1日目に滑空機部門、2日目に人力プロペラ機部門が行われます。(近年は出場チーム数の変動や台風の影響などで必ずもそうではないことが多いですが)

出場チームは大会当日の前日に機体の安全審査を受けなければなりません。その安全審査を受けたあと、琵琶湖湖畔に機体を駐機して翌日の大会本番に備えます。

その際、琵琶湖湖畔に警備員などは配置されないため、安全審査を受けてから大会当日までの間、自分たちの機体を自分たちで守る必要があります。このように大会前夜に機体を琵琶湖湖畔に駐機し、自分たちで機体を一晩守ることをここでは「夜間監視」と呼んでいます。

従来の夜間監視

従来の夜間監視では夜間監視中のトラブル対応やそもそも車の運転ができる人を配置するために学年が上の人を混ぜて人員を配置することが多かったです。

メリットとしては高学年の部員が混ざっていることから、トラブル対応が現地の人間だけで比較的容易に行うことができるという面がありました。

しかし、この従来の方法ではデメリットの側面が大きいという問題があります。一つ目は高学年の部員を配置することによる大会当日の体力満タンな人員が減ってしまうことです。

寝不足は熱中症や低体温症のリスクを増加させるだけでなく、ヒューマンエラーの発生率を増加させます。また、最後の鳥コンの年であるにも関わらず執行代の部員が機体に関係のない作業、例えば車を利用した部員運搬などをすることは避けるべきです。車で軽微な事故を起こしてしまうと、警察を呼ばざる得なくなり、貴重な時間を事故処理に充てなくてはならなくなります。

実際に弊チームでは大会当日にプッシャーを務める先輩がレンタカーに傷をつけてしまうようなことがありました。

機体に関する作業は部員によって教えられており、その教え方などの方法は確立されているとは言い難いのが現状です。それに比べて車の免許はプロの自動車教習所の教員が知識や技術を教えてくれるのである一定の質が保たれていると考えることができます。

そのため、私の代では作業に精通した部員が作業に集中できるように、作業に精通していない部員は作業以外で貢献できるように「入部したばかりの1年生がメインで貢献できる夜間監視」というコンセプトの元、新しい夜間監視システムを構築しました。

考案した夜間監視の方法

夜間監視には空港のシステムを参考にしました。空港ではタワーにいる航空管制官によって全ての航空機の移動が管理されています。またトラブル発生の際も航空機に乗っているパイロットが航空機の操縦に集中できるように、空港内での動きやその後の対処などを管制官側が指示を行ってくれます。この空港で日々行われている流れを鳥人間コンテスト前夜の夜間監視のシステムの参考にしました。

ここでは大会期間中の架空の滞在先を彦根駅としています。彦根駅からレンタカーを使用して機体を駐機している松原水泳場へ移動します。夜間監視の時間帯は前日18時~翌日朝6時とします。弊チームでは2~3時間ごとに交代するような形で夜間監視を行っています。

滞在先から琵琶湖湖畔への移動のイメージ図
参考にした空港のシステム

空港のシステムの例として羽田空港を取り上げます。北風運用時の羽田空港第二ターミナルからD滑走路へ離陸する流れを例として取り上げています。

羽田空港第二ターミナルからD滑走路へ向かうことの概要図

第二ターミナルに駐機している航空機は乗客の乗降や貨物の搬入が終了した後、エプロンを管轄する管制官へプッシュバックの許可をもらいます。管制官からプッシュバックの許可をもらったあとはどの誘導路を使用してどの滑走路へ向かうかの指示も受けます。つまり、実際に移動する人がその与えられた仕事を全うするために、航空管制官は整理を行ったり、必要な情報を与えたりしています。このように”実際に仕事をする人”と”俯瞰してサポートする人”という役割を分けるという点を夜間監視に反映しました。パイロットはパイロットの仕事が全うできるように航空管制官がサポートしているという空港のシステムを参考に「夜間監視員が夜間監視を全うできるように、サポートする役割を作って仕事をサポートする」というシステムを考案しました。

新・夜間監視概要

夜間監視員のお仕事

従来の夜間監視では夜間監視を行う時間帯ごとにチームになって行動するのが基本でしたが、新しい夜間監視では基本的にホテルに常駐している”OB対応・夜間監視員監視”の方々の指示に従って行動します。大会当日はなかなかタイムスケジュールやマニュアル通りにいかないのが実際のところであると思います。予定されていた流れ通りにいかなくなったとき、執行代の部員なしでイレギュラーに対応するために、ホテルに常駐する”OB対応・夜間監視員監視”の人たちがマニュアルやその状況に従って指示を出します。夜間監視員の方々は指示された時間に集合し、機体駐機場にて任務にあたります。

[NEW!!]OB対応・夜間監視員監視のお仕事

この仕事が新しい夜間監視システムの最大の特徴です。夜間監視に組み込まれなかった部員がホテルで滞在している部屋からOB対応や夜間監視員への連絡・トラブル対応の指示を行っています。弊チームでは基本的に女子部員は屋外での夜間監視には組み込まれていませんでしたが、この仕事が誕生したことにより、役割が持てるようになりました。主な業務としては、翌日部員を琵琶湖まで送迎していただけるOBの方への連絡、夜間監視員の招集、夜間監視員からの要求への対応、トラブル発生時の対応、寝坊した部員への対応、急に具合が悪くなった夜間監視員への対応などが含まれます。基本的に記述した業務をしていただければあとは自由に気を利かせてやってほしいと頼んでいました。中には駐機している夜間監視のための水分が十分にあるかどうか確認して常になくならないように管理してくれた部員もいたようです。この役割を準備したことによって執行代は機体破損以外のトラブル発生では睡眠を続行することができるようになりました。具体的にはトラブルによる夜間監視員の増員、レンタカーの駐車場所の管理、夜間監視員から天候などの情報を得て次の夜間監視員への服装などの指示をだす、夜間監視員からの不足品などの情報を得て次の夜間監視員へもっていってもらうなどなど・・・。これらすべての作業を1年生と一部の2年生に行ってもらいました。

車の運転のお仕事

2017年からできるだけ1,2年生の免許を持っていてなおかつ大会当日に大きな仕事のないことになっている部員全員に平等に仕事が回るようにしています。いまのところ1,2年生に任せたからゆえの事故は発生していません。(なんならOBの方が事故を起こしているという・・・)事故が絶対発生しない保証はありませんが、1,2年生の仕事分担で困ったら車の管理を任せるというのは有効な手段であると言えそうです。

あとがき

このように執行代がなるべく大会当日に体力を残して活動ができるようにするためのシステムを考案し、ここ数年は大きな事故やトラブルなく、活用できています。しかし、やはり技術・知識伝承が難しいと肌感覚で感じています。このシステムでは大会当日に役割がある人をその役割以外に充てないようにするために考案されたものでしたが、だんだん従来のシステムに戻りつつあるのが実際のところです。1年間かけて製作した機体を飛ばすまでにどのように大会当日を迎えるべきかは、あまり注視されていないのも現実です。最後の最後まで悔いのないように、全員が力を出せるように、1,2年生ができる仕事をちゃんと先輩が用意してあげるのも仕事の一つであると考えています。

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