技術交流会という名前の”絶対引き継ぎします会”を開いた話

こんにちは!さいがです。

今回の記事では私が所属していたチームで技術交流会という名前の引き継ぎ会を開催したのでその報告をさせていただきたいと考えております。

※開催は緊急事態宣言前でまだ活動の制限がされていなかった2月に行いました。参加者には全員マスクの装着、会場は常に窓とドアを開けて換気行い、手の消毒をお願いして開催しました。

技術交流会”極め人”開催の背景

春と夏に開かれる全国の鳥人間関係者が集まる交流会では、滑空機、駆動、ペラ、翼など大まかな作業分担によって部屋が分けられて交流が行われます。それぞれの部屋では設計中の機体についての話や製作方法の改良の話で有益な情報が得られるだけでなく、全国各地の鳥人間に勤しむ方々とコネクションをつくることができるという貴重な機会を得ることができます。

鳥人間コンテストに出場して記録を残すには、結局何が必要なのでしょうか?交流会で部屋が用意されているような、機体設計を極めた人、パイロットとしてトレーニングを極めた人などなどの技術や知見による貢献も非常に重要です。加えて”鳥人間コンテストに出場して記録を残す”には、提出資料が無事に通るようにわかりやすい資料作りを極めた人、機体の塗装技術を極めた人、部員が倒れないように運営システムの構築を極めた人、フライトのデータ保存方法を極めた人などなどの貢献もとてもとてもとても重要で、なくてはならない存在です。そのような交流会ではなかなかスポットライトの当たらない、しかし大会に出場するため、記録を残すために大変貢献した価値のある技術や知見は引き継ぎ資料として残されることなく、必要であるにも関わらず数年で淘汰されてしまうことが多いのではないでしょうか。

そこで、今回初の試みとなった技術交流会”極め人”では現役時代に自分が極めたことをパワーポイントや模造紙などでまとめてきてもらい、どうしてそれを頑張ることになったのか、どのような失敗を経験したか、どのように結果に貢献できたか、などの情報共有、技術伝達をしました。プレゼンターとして、滑空機部門で優勝し2年連続で学生記録を更新した2017、2018年度大会で執行代として所属していた部員と、2016年執行代の協力していただいた先輩方、2019年度出場のパイロットに参加していただきました。

1人1人が全く一緒の作業、経験をしていたということは可能性としてゼロに近いのではないでしょうか?つまり、部員がいればその人数分作業への気づきがあり、飛距離のために極めた、貢献した”なにか”があるはずです。”極め人”では基礎的な技術や理論の知識から例年なら引き継がれなかった知見まで幅広くスポットを当てて参加者全体でシェアしていこうという企画です。

当日の発表内容について

当日の発表内容は以下の通りでした。

  • 鳥人間コンテスト出場機体塗装のデザイン活動
  • 津田沼航空研究会における実機を想定した飛行訓練とその考察
  • 優勝チームの翼製作班の活動形態について
  • Project2017,2018における電装開発
  • 近年の津田沼航空研究会のコックピット比較
  • Project2018における「Gardenia」の設計開発
  • 本当にあった怖い話~津田沼航空研究会事件簿~
  • 上手な写真の撮り方講座
  • CFRP剛性計算シミュレーションの開発
  • 優勝パイロットのフライトレポート

以上10個のプレゼンを行いました。発表後にはそれぞれの発表者との意見交換の時間も設けるという形でディスカッションを行っていきました。

”極め人”のねらい

長くなりましたが、”極め人”の開催のねらいは以下2つです。

  • 従来の活動スケジュールには無かった、引き継ぎ資料の提供やフライトの情報共有の機会の創出
  • 部員が増えたことに伴い注力できるようになった、または誕生した新規作業のブラッシュアップの機会創出

発表用に製作した資料10個は引き継ぎ資料として現役部員に提供しました。部室のパソコンに入れてあるので弊チームの後輩はぜひ見てください。(引き継がれた資料として弊チームでは、過去で一番提供された量が多いんじゃないでしょうか・・・?)

一部内容のチラ見せ

実際にはどんなことを共有したの?ということで私が発表を担当しました「本当にあった怖い話~津田沼航空研究会事件簿~」を一部抜粋して紹介したいと思います。私はたくさんのOBや後輩と仲良くさせていただいており、たくさんの経験談を聞いていたので「経験談をたくさん聞いて知見を集めるのを極めた人」っていうことで参加しました。(なんでもありかよ!って思いました?そうです、なんでもありです。)

私が担当したのは俗にいう”事故報告書”ようなものです。私たちは人を乗せる乗り物を製作しているので、機体破損によるケガや事故に最大限注意を払うのが義務です。歴代で経験してきた些細なミスや事故を防いで信頼性の高い組織にしていくために、引き継ぎ資料と同様に”事故報告書”を残していくべきであるのではないか、ということをお話しさせていただきました。

今回は2013~2019年までに発生したトラブルについてまとめました。発生したトラブルの内容と、当時の対処方法、トラブルを未然に防ぐための方法などを書くフォーマットを作成してまとめました。

まとめ

今回は初の引き継ぎの機会として技術交流会を行ったことについて書かせていただきました。弊チームは最近部員数が50人を超える大所帯になってきたので、効率的な製作、研究開発を行っていくと同時に知識伝承をする機会を創出していくのはとても大変です。また、いままでのスケジュールに引き継ぎ資料を残すというイベントがなかったので、”なに”を”どのように”残せばよいかが分からず、結果、引き継ぎ資料が無いという状況が続いていました。特に学生チームでは人の入れ替わりが激しいのでたとえ大会で優勝しても2、3年後には優勝経験部員が全員いなくなってしまうなんてこともあります。今回は”Done is better than perfect”で知識伝承の機会を設けてみました。今回の機会をきっかけに、引き継ぎ資料共有の機会の定着、資料内容の大まかな枠組みなどブラッシュアップしていくきっかけになれれば幸いです。

あとがき

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